元証券マンが暗号資産取引所の口座開設を実際に比較してみた

取引所比較

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結論(先に言うと)

bitbank・SBI VC Trade・GMOコイン・Coincheckの4社で実際に口座開設をしてみたところ、いずれもマイナンバーカードを使ったスマートフォンアプリでのオンライン本人確認(eKYC)だけで、書類の郵送や対面での手続きは一切不要でした。ただし「スムーズさ」には4社の間でかなり差があります。

4社の中で最速だったのはCoincheckで、申込み開始から本人確認の審査完了までわずか約4分でした(詳細はこちら)。SBI VC Tradeも土曜の夜22時51分に申し込んだところ22時58分にはサービスを利用開始できており(所要時間7分)、証券会社で7年、個人のお客様向けに資産運用をサポートしてきた立場から言うと、証券口座は本人確認が完了していても、その後の開設審査自体は基本的に営業時間内にしか動きません。オンライン完結のeKYCがここまで速いというのは、証券業界の感覚からすると何度体験しても衝撃的です。

一方でGMOコインは対照的でした。申込みページには「ビットコイン購入まで最短10分」と表示されていますが、実際には本人確認・写真撮影を終えたあとも、通知の待機・複数回の認証コード入力が続き、ログイン完了までに何段階もの工程がありました。「最短10分」は最初の申込み手続きまでの目安であって、実際にログインして使えるようになるまでの時間ではない、という点は実際にやってみて初めて分かりました。

実際にやってみた(手順)

  1. 比較対象として、板取引に強いbitbank、証券会社グループが運営する安心感のあるSBI VC Trade、暗号資産の取扱銘柄数が豊富なGMOコイン、初心者向け導線に定評のあるCoincheckの4社を選定
  2. bitbank・SBI VC Trade・Coincheckは、メールアドレスとマイナンバーカードだけで、スマートフォンの専用アプリでICチップを読み取る形式のeKYCが完結した
  3. 実際の記録は次の通り
  • Coincheck: 9:48に申込み開始 → 9:52に本人確認審査完了メールを受信(所要時間約4分、4社中最速)。マイナンバーカードから読み取った情報の再入力が不要で、手続きも最もスムーズだった(詳細記事)
  • SBI VC Trade: 6月20日(土)22:51に申込受付 → 22:58にサービス利用開始(所要時間7分、土曜夜という営業時間外)
  • bitbank: 7月13日(月)10:51に申込受付 → 同時刻に口座開設完了メールを受信
  • GMOコイン: 以下の通り、他の3社よりかなり工程が多かった
  1. メール認証
  2. SNS認証
  3. 必要情報入力(途中でUIが切り替わり戸惑う)
  4. 本人確認(独自アプリ、見慣れない入力項目で3回間違え、4回目で成功)
  5. 写真撮影
  6. 約15分待機後、「口座申し込み完了」の通知が届き、口座開設コードが発行される
  7. ログインを試みると、口座開設コードとは別に、ログイン時に新たに送られてくる2段階認証コードの入力を求められる
  8. 口座開設コードを入力
  9. さらにSNS認証コードが送付され、入力してようやくログイン完了
  • 手続き自体(1〜5)で体感約15分、そこからログイン完了(6〜9)までさらに複数の待機・入力が発生

良かった点

  • マイナンバーカード+スマートフォンさえあれば、対面や郵送のやり取りが一切ないままその場で申し込みが完了する手軽さ(bitbank・SBI VC Trade・Coincheck)
  • 申込みから数分で審査まで完了するという、証券口座の常識では考えられないスピード感(Coincheckの約4分、SBI VC Tradeの7分)
  • Coincheckはマイナンバーカードから読み取った情報の再入力が不要で、4社の中で最も引っかかりの少ない入力体験だった
  • bitbank・SBI VC Tradeも入力フォームがシンプルで、証券会社の口座開設書類にありがちな「どの欄に何を書けばいいか迷う」という場面がほとんどなかった
  • GMOコインの申込みページには、SNSを悪用した投資詐欺や、捜査機関を名乗る詐欺への注意喚起バナーが表示されており、利用者保護への意識は感じられた

気になった点・リスク

  • マイナンバーカードを持っていない、またはICチップの読み取りに対応していないスマートフォンを使っている場合、bitbank・SBI VC Trade・Coincheckのような速さの恩恵を受けにくい
  • オンライン完結の手軽さの裏返しとして、証券口座のような担当者への電話確認や対面でのフォローは基本的に期待できない
  • 申し込み自体は数分で終わっても、実際に入金・取引を開始できるまでの審査完了のタイミングは各社の混雑状況によって変わる可能性がある
  • Coincheckは口座開設が4社最速だった。 入金については、当初この記事で「銀行振込のみ」と書いていましたが誤りでした。Coincheckには銀行振込・コンビニ入金・クイック入金(ペイジー)の3種類があります(2026年9月訂正)。ただし銀行振込以外は入金額に応じた手数料がかかり、入金日から7日間、入金相当額の出金・送金・振替ができません。4社の入金方法と制限の比較は「暗号資産の積立(ドルコスト平均法)を徹底比較」で整理しています(口座開設の詳細は別記事)
  • GMOコインは4社の中で最も分かりにくかった。具体的には次の点でつまずいた
  • 必要情報の入力途中で、それまで画面下部にあった「次へ」ボタンを押すフローから、突然「選択肢をタップすると自動で次のページへ進む」という異なるUIに切り替わり、操作に戸惑った(投資目的の確認画面など)
  • 本人確認はGMOコイン独自のアプリ経由で、bitbankで使ったデジタル庁のアプリ(通常のマイナンバーカードのパスワード+4桁の認証番号)とは異なり、生年月日の元号2桁+月日、有効期限の西暦4桁、カード記載のセキュリティコードという見慣れない組み合わせの入力を求められた。3回連続で間違え、4回目にようやく画面の説明を読み直して正しく入力できた
  • 本人確認の入力に加えて、別途写真撮影のステップも必要で、手続き全体がスマートフォンでないと完結しにくい構成だった
  • ログイン完了までに認証コードのやり取りが何段階も続いたのが一番の混乱ポイント。「口座申し込み完了」通知で口座開設コードが発行されるが、ログイン時には別途送られてくる2段階認証コードが先に必要で、その後に口座開設コードを入力し、さらにSNS認証コードが送られてきてようやくログイン完了、という順序だった。「先に届いたコードほど後で使う」という直感に反する流れで、bitbank・SBI VC Tradeにはなかった混乱ポイントだった
  • 「ビットコイン購入まで最短10分」という表示は、あくまで最初の申込み手続きの所要時間であり、その後ログインして使えるようになるまでの時間は含まれていない点には注意が必要
  • 暗号資産は価格の変動が大きく、購入時の価格を下回って損失が生じる可能性があります。本記事は特定の銘柄やサービスへの投資を推奨するものではありません。余裕資金の範囲で、リスクを理解したうえでご判断ください

まとめ

証券口座も近年はオンラインでスムーズに開設できるようになっていますが、本人確認後の開設審査自体は基本的に証券会社の営業時間内でしか進みません。今回のCoincheck(約4分)・SBI VC Trade(7分)のように、営業時間を問わずその場でサービスが使えるようになるというのは、オンライン完結型ならではの体験でした。

一方で、同じ「オンライン完結のeKYC」でも使いやすさには取引所によって差があることも分かりました。bitbank・SBI VC Trade・CoincheckはシンプルなUIで迷う場面がほとんどなく、中でもCoincheckはマイナンバーカードの情報を再入力させられない設計まで含めて最も引っかかりが少ない体験でした。一方GMOコインは工程が多く、本人確認の入力項目も独特で、認証コードのやり取りだけでも複数回発生し、申込みページの「最短10分」という表示ほどの速さは体感できませんでした。口座開設のスピードと手軽さだけで選ぶなら、Coincheck・bitbank・SBI VC Tradeのいずれも有力候補です。ただし入金方法は4社で差があり、即時入金が使える取引所ではその入金分に7日間の出金・送付制限がかかります。口座開設のあとに何をしたいかによって向き不向きが変わるため、4社の入金方法の比較もあわせて確認しておくと安心です。

各取引所の手数料・特徴の解説は「国内暗号資産取引所を徹底比較|手数料・取扱銘柄・使いやすさ」にまとめています。取引所選びの基準から知りたい方はあわせてご覧ください。Coincheckの口座開設の詳しい手順は「Coincheckの口座開設を実際にやってみた|本人確認の審査完了まで4分だった実録」にまとめています。

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