結論(先に言うと)
Superteam Japan(Solanaエコシステムのグローバルコミュニティ)への参加を考え始めてから1週間で、Solana上で動くプロダクト「Nudge」を、アイデア検証・技術検証・devnet上での実際の動作確認・大学でのピッチ資料作成まで一気に進めました。
この過程で一番効いたのは「作る前に、本当にまだ誰もやっていないかを調べる」という規律でした。Colosseum Copilot(Solana/crypto領域のスタートアップ検証AI、5,400件超のプロジェクトデータベースを持つ)で競合状況を照合したことで、当初考えていたアイデアの半分は「もう誰かがやっている」ことが分かり、方向転換しました。
実際にやってみた(手順)
- きっかけ:Superteam Japanの方から、参加前にYコンビネーターのRFS・Onchain Atlas・Colosseumの資料に目を通すよう勧められた。読んだ上で「Solana上に自分でプロダクトを作る」方向(Route B)を選択(2026-08-06)
- アイデアのブレストと競合調査:「AIエージェントの自律購買 × アフィリエイト成果証明」という切り口を、Colosseum Copilotで実際に検証。最初に考えていた「AIエージェント向け認定マーケットプレイス」案は、該当するクラスタの提出数が325件・入賞数14件(勝率4.3%)ともっとも混雑していることが判明し却下。一方「エージェント購買 × アフィリエイト成果証明」の組み合わせはデータベース上で未着手の白地と確認できた
- 原体験との接続:AI検索の普及で、メディアが提供した情報がクリックなしに要約され、成果報酬が発生しなくなる、という構造変化を実務で感じていたことが、このアイデアを選ぶ決め手になった
- ポジショニングの絞り込み:Colosseumの勝率データをさらに分析すると、「両面市場のビジョンを掲げるプロジェクト」より「単一のメカニズムを鋭く実証したプロジェクト」の方が、個人・小チームでも入賞していることが分かった。ここでMVPのスコープを「AIエージェントの決済に、署名付きの紹介証明をひも付けて、誰でも検証できるようにする」という一点に絞り込んだ
- 技術設計:Solana上のAIエージェント向け決済プロトコル「x402」の決済トランザクションに、Solana標準のMemoプログラムで署名付きの紹介情報を同梱する設計を採用。独自のスマートコントラクトは一切書かず、Solanaが最初から持っているToken ProgramとMemo Programだけで組み立てた
- 実装とdevnetでの実行:署名・購入実行・マーチャントサーバー・検証ダッシュボードの4つのパッケージを実装し、Solanaのテストネット(devnet)で実際に購入トランザクションを実行。トランザクション上の署名を独立に検証し、
referralSignatureValid: trueという結果を得た - つまずいた点:無料の公開RPC(
api.devnet.solana.com)がblockhashの取得でたびたびタイムアウト。専用RPCプロバイダのHeliusに切り替えたところ安定した。その過程で、コピーしたRPC URLが誤って本番用(mainnet)になっていた、という単純だが気づきにくいミスもあった - ピッチ資料の作成:DePitchフレームワーク(Sofian Meguellati氏が東京大学Web3 Product SGで講演した内容)に沿って、17枚のピッチ資料を作成。
良かった点
- アイデア検証→技術検証→実装→ピッチ資料作成までを1週間で一周できた。特に「作る前に調べる」プロセスを飛ばさなかったことで、勝ち目の薄いアイデアに時間を使わずに済んだ
- devnet上のトランザクションは誰でも検証できる公開情報なので、「口約束」ではなく実際に動くものとして人に見せられる状態を1週間で作れた
気になった点・リスク
- 無料の公開RPCはレート制限やタイムアウトが起きやすく、本番相当の動作確認には専用RPCプロバイダへの切り替えがほぼ必須だった。Web3開発特有の、地味だが軽視できないインフラの脆さだと感じた
- 「データベース上で誰もやっていない」ことは、あくまで一次情報が調べられる範囲での確認であり、市場で実証されたわけではない。トラクションはまだゼロで、ここからが本番
- 技術共同創業者はまだ見つかっていない。プロダクトとしての土台はできたが、1人で続けられる規模ではないというのが正直なところ
まとめ
証券会社・M&A業務を経て今はアフィリエイト実務に携わる自分にとって、今回のように「非エンジニアが、AIエージェントを相棒にしてアイデア検証から動くプロダクトまで1週間で形にする」という進め方は、正直かなり手応えがありました。技術力そのものより、「何を作るべきか」「どこまで絞るべきか」をデータに基づいて判断する部分に自分の実務経験が効く、という発見が一番の収穫です。
Nudgeはまだ始まったばかりです。Solanaでエージェント決済まわりを一緒に触ってみたいエンジニアの方がいれば、X(@toki_finance)かDiscord(tokky0311)でぜひ連絡してください。


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